2012年4月22日日曜日

第28回全日本トライアスロン宮古島大会 その4


RUN




バイクを押してラックへ走りながら・・・

目標をうわまわるペースでBIKEを終えられた達成感と安堵感がこみ上げる。

しかし・・・

気温はグングン上昇。

灼熱のRUN。



これからがまさに宮古島トライアスロンだ。


気合を入れねばっ!








っと着替えのために入ったテント。


うっ・・・(汗)


むわーーーんんんっ。(推定40℃、湿度98%)


日差しをモロに受け閉め切ったその空間は、まさにサウナ状態。



補給のゼリーを口にしようとしたが、その気になれないほどの熱気。

いったん置いてまずは着替え。


恒例のマッパ(笑)


上はノースリーブジャージへチェンジ。

パンツも薄手パッドのパンツへチェンジ。

5本指ソックスを苦戦しながら履いてアディゼロ・ジャパンの紐を締めた。



RUNシューズはかなり迷ったがコレに決めた。

ZOOTにしようと思っていたが、練習で使ったところ足囲あたりの
ホールドが甘く横方向に動いてしまいそうで・・・

マメが心配なのでやめた。

アディゼロ・コナも同様の理由から却下。

極端な幅狭、甲低の足ゆえに悩みは多い。


テントから出ると風が心地いい。


ヨシッ!行くか!


一歩、一歩確かめるように走り出した。




・・・さて、ここまで温存していたGarminに活躍してもらおう。


Garmin610の電池はMAXで8時間。

優勝タイムでも使えない(笑)


と、いうことで今回BIKEはキャットアイのサイコンで対応。


そして、Garminはバイク終了まで普通の時計として使って
RUNだけGPS機能でペース管理しながら走ろうと思っていた。



ところが・・・


いつまでたってもGPSを捕捉しないんです(泣)


普段なら数秒なんですが・・・・


Please wait・・・

待ってますが・・・?


1km通過。


うーーーん。


まだ?


二日前にはちゃんと補足したのになぁ・・・

北のミサイルの影響か??(笑)


それより、なんか・・・

急に膀胱が振動したせいかトイレに行きたくなってきた。

それも急激に。


しばらく走るとガソリンスタンドのトイレが
大会用のトイレになっていたので駆け込んだ。


・・・・

・・・・10秒?


出ない?

あんなにしたかったのに・・・



5時間もバイクに乗って圧迫し続けた尿道。

かなりおかしくなってるなぁ~


・・・と思ったら、出た(ホッ)



で、トイレから出ても捕捉しないGPS。


もう諦めた。


というより「必要ないな」と思った。

今回から1kmごとに表示があるらしいので
知ろうと思えばペースは簡単に計算できる。


しかし、ここまできたらペース配分なんてもう関係ない。

今出せる100%の力で前へ進むだけだ。


たとえ前半で潰れても、それはそれで悔いのないレースになるはずだ。


こうやって文章にするとかなりかっこいい(笑)が

実際そう思うと、なんか楽になった気がした。





コースは宮古島の市街中心を抜けて行くのだが沿道の応援がうれしい。


「行ってらっしゃーい」

「わいどーわいどー」


28回という歴史を感じさせる応援がそこにはあった。

他にも応援がすごい大会はあるだろう。

でも、この醸し出す雰囲気はなんなんだろう?


レースなんだけどゆるいというか?おっとりとしたというか・・・

「ぼちぼちいこうよ~」

「マイペースでいいよ~」


って感じの空気感がたまらなくいい。


しかし、そんな応援とは対照的な日差しと湿度。

風も出来てきたのだが、追い風だ・・・


追い風でよかったのでは?

真夏のRUNを体験した事がない人ならそう思うでしょう。

しかし、暑い時の追い風RUNは地獄に近い。

体感的には無風で、自分の体温の上昇が手に取るように分かってしまう。


「熱中症」

「脱水症状」


RUNに移った瞬間に誰もがこの2つを意識しただろう。

そのくらい、今大会は暑かった。

ましてや本州各県との気温差が大きく

体が慣れてないという事を考慮すると

真夏の大会よりも大変だったかもしれない。



やっと6.5km地点。JAひらら給油所。

応援バスのポイントだ。

日焼け対策としてアームカバーをつけて走っていたが
これが暑くてたまらなかったので、はずして預けた。

2~3の言葉を交わして「じゃあゴールで」と・・・。


感覚的には5’40~6’00/分では走れているつもりだけど
いろんなところに痛みが出てきた。

最初にきたのは意外な場所・・・

「背筋」


長時間のバイクの姿勢を支えてくれた背筋。

そりゃ疲れも出る。

しばらくトントン拳でたたきながら走る。


と、次は「腹筋(腹斜筋)」に来た。

そりゃ背筋とバランス取りながら頑張ってくれたんだ、疲れも出る(笑)

今度は親指でぎゅーっと押さえてマッサージしながら走る。


体幹がまだまだ弱いって事だなぁ・・・反省。


やべえぇ・・・痛みが取れねぇーぞーー。

痛みが比較的ましな姿勢を探しながら走ってみる・・・

!!!

???


猫背走りで骨盤後傾。


なんと・・・楽に走れるではないですか!!


デメリットは速く走れない事と・・・


その間抜けなフォーム(笑)


いいんです。

宮本武蔵の二刀流とて同じ(怒られるかぁ?www)

使える筋肉は総動員するんです(笑)


エイドで止まった時に、ジャージの背中ポケットいっぱいに
氷を入れてもらった。

皆生でスコにゃんがやっていたように。


これが効いたのか?

かなり痛みが楽になって間抜けなフォームを卒業できた(ホッ)


この頃(13km地点くらい?)になるとトップが折り返してやってきた。


先頭はデカイ白人(ウクライナ人)の若者。

苦しそうに見えた。

そんなにRUNがキレている感じではないので
後続の日本人がサブスリーペースで来たら逆転もあるのでは?と思った。


続いて西内選手が来た。

「いける!追いつける!」って声をかけた。

「コクッ」ってしてくれたかな?


次々とすれ違う一流アスリート達。

名前を知っている有名選手がどんどん来る。

しかし彼らと言えど、今日の暑さにはやられている感じで躍動感は感じられなかった。

マラソンのトップとすれ違うイメージが残っていたからそう感じたのかも知れないが・・・。


といいながらも十分クソ速いんで、自分の走りはどんだけ躍動感がないのかと(笑)




おおっ。

南ちゃん。

順調やね~。さすが。

「KENSACK君がおらんけど?」

「うしろ・・・」


うーーん。


なんとなく予想はしていたが、まだレースを継続できているということで安堵。



容赦なくギラつく太陽。


とっくり椰子。


香ばしい家畜のフンの香り(笑)


そして、風にそよぐサトウキビ!


永遠と続くこの光景・・・



頭の中では昨日聞いた

「かっとばせ!サトウキビ」がヘビーローテ。


かっとばせーサトウキビ~

この島から世界中へ~



!!!



18km地点に来て急な下り!!

おいおい!

8%くらい?を500M・・・

これは京都マラソンの狐坂より厳しいぞーーー!


これを帰りに登るのね・・・


なんか笑いが出てきた。

当然余裕の笑みです(笑)



丘陵地帯を抜け保良の折り返し地点に来た。





























ほんとに笑ってるぜっ!




15:03:07(RUN 21.0975km 2:05:00)

ここまで 5’55/kmのペース。完璧じゃね?


ヨシ!あと半分!

このまま笑って行くぜ!


折り返してしばらくして苦しそうに歩くKENSACK君に並ぶ。

「熱中?」

「いや・・・脱水です・・・」

「そうかぁ・・・」

「・・・・・」

「絶対無理はしないように・・・」



ロングディスタンスのトライアスロン。

ましてや灼熱のレース・・・。



鍛え上げた筋力や筋持久力がたとえナンバーワンだとしてもそれだけではトップになれない。

内臓(胃や腸)の強さも筋力と同等、いやそれ以上に求められる。

そしてそれは、トレーニングではけっして鍛えることが出来ないというのだ。



YOUさんにお借りした本の受け売りだが・・・


アイアンマンのレースになれば(今回よりスイムが0.8km、バイクが25km長い)

消費カロリーは基礎代謝を含めると7000kcalを超えるらしい。


体内に蓄えられたエネルギーはせいぜい3000kcal。

残り半分以上を外部から摂取しないと動き続けられない計算になるという。


そして、何より大事な事は、それをちゃんと


消化してエネルギーに変えなくてはならない


という事。


それを動きながらにしてやるのだから内蔵にかかる負担は計り知れない。


詰め込もうとしても受けつけなくなる。

無理をすれば吐く。

そして脱水。


脱水を恐れて水分を取りすぎると下痢から脱水というパターンもある。


こう考えると、恐ろしく奥の深いスポーツだ。


自分の体と究極まで向き合わなければやり遂げる事が出来ないのか?




そういう意味で、今回のMY胃腸は、意外にしぶとい。


練習ではハンガーノックや熱中症気味には何度もなったことがある。

しかし、それらは明らかな補給のミスであって必然性がある。


今回のレースは絶対そんなミスがないようにと、しっかり補給をしてきた。

特にRUNのエイドでは、必要以上に時間をかけてたっぷりと(笑)


で、しっかり胃腸が働いてくれてエネルギーになっている。


走りながら両親に感謝した・・・

オレの胃腸、けっこういけるよっ!

ありがとう!



内臓はまだ元気だが・・・

往路に見た坂はやっぱりハンパじゃなかった。

もうねぇ・・・脚の重い事。

一気にガクッときた↓↓↓


つま先があがらなくなってきて

着地前に地面にこする回数が増えてきた。



・・・が何とか30kmを通過


16:04:35 (RUN30km 3:06:28)




中間点から30kmまで 1:01:28(7’35/km)


あららーー極端に落ちてますねぇーーー。


ペース確認してなかったのでここまで落ちているとは思ってなかった。

確かにアップダウンもあり最も苦しい区間だったように思う。


お腹が減ってきてエイドでゆっくり食べ過ぎたと言う事もある・・・か?



何せ残りの距離ばっかり計算して

あと15kmだったら夜ランのコースくらいかぁ?とか

SAMIの手前までの往復でええか?とか・・・


ここまでは、なんやかんやといいながら順調に来たが

とうとう庇ってきたところの副作用が出てきた。



実は、前半からハムが攣りそうな感覚があった。

何度もフルマラソンで泣かされてきたあの感覚。

そこで、完全に攣ってしまうと歩いてしまうので、ちょっと走り方を変えていた。


後ろに蹴ってしまうとピキーンとくるので、前方に体重をのせて

足を運ぶような走り方に変えた。(わかりにくい?)


これは、1月の距離を踏む練習の中で身につけた技。

遠くまで走ってきたのにハムに違和感が出てしまった。

さて、どうやったら帰れるかな?

しかも悪化させずに。

そこでいろいろ重心を変えたりして編み出したのだ(笑)



ほんと「猫背ラン」といい「ハムカバーラン」といい・・・

フォームが多彩でしょ(笑)


で、副作用ですが・・・

両方の親指と人差し指の爪が死亡です・・・



この走り方は極端に前重心なのでシューズ前方に足がずれる。

当然、長距離をこれで走ると爪に加重がかかりこういう結果に。


着地の度に痛むがここまで来て歩くわけにはいかないのでがまんです。


が・ま・ん。

この爪の状態なら、しばらくRUN練習しなくていい。

ってか出来ないはず。

今年最後のRUNだと思って走れ!

だから・・・が・ま・ん(笑)



そうだ!

脚が動かなくなった時は・・・

「脚がダメなら腕を振れ!」だった。



腕は元気でいくらでも振れるのだが

ピッチが早くなって衝撃の回数がぁ・・・

う”ぅーーーー(笑)




やっときたーー 35km地点。


16:38:57(RUN 35km地点 3:40:50)


30km~35km 34:22(6’52/km)


このあたりまで来ると歩かない事だけに集中。

絶対歩かねぇーぞ!


エイドでは、すぐにお辞儀の姿勢をとり、「お願いします!」


ボランティアの中学生が冷水を頭から背中までジャバーっと(笑)

これのおかげで何とかオーバーヒートを回避。


エアーサロンパス部隊の子には

「ふくらはぎと太ももお願いします!」

後ろを向いてスプレーしてもらいます。

ほんと一生懸命やってくれるんです。彼ら。



そして、沿道からは

「おかえりーー」    

「かっこいいよーー」  

「速いよーーー」 

「暑いのによくがんばった!」

「〇〇〇さん!ワイドー」 

「もうちょっと」  

「ラスト頑張れ!」

いったいどれだけの人にどれだけの声をかけてもらっただろうか。

こんな長い距離のレースは初めてなわけで・・・

一回のレースでこんなに大勢から応援してもらえたことは無い。

小さい子どもからおじぃ、おばぁまで。


最高だぜ!この大会。



競技場が見えてきた・・・

ちゃんと待ってくれているだろうか?


脚はまだ動いている。

笑ってゴールできそうだ。

タイム的にも自分の最速だと予想したタイムとほぼピッタリ。

今、自分が持っている力を余すことなく出し切る事ができたと思う。

次、同じタイムでって言われても多分出来ない。



競技場に入った・・・

自分の前の選手が家族を見つけ子どもを肩車した。

元気やなぁーー。


うちのは小6だから肩車は無理やなぁ・・・


ってどこにおるんかな?


キョロキョロ・・・

のこり300M地点通過。

あれぇ?

ゴール前かなぁ?

グラウンド内に目を凝らすが・・・いない。


のこり200M地点。

い・な・い・・・・

これは痛恨のゴール前で嫁子待ちか?


と思ったら残り100m地点のトラックの外にいた!!!


早くっ!大きく手招き。


久しぶりに(笑)手を繋ぎ・・・

最後の直線を走る。











後ろから太鼓を叩いてお祝いしてくれています!












念願のSTRONGMAN

























なりましたぁーーー!!!



17:27:07(RUN 42.195km地点 4:29:00)

35km~42.195km 48’10(6’41/km)



RUN 4;29:00 275位/1470人スタート


総合順位  

226位  10:27:07 男子210位 40-44歳男子 59位


11時間という目標タイムは大きくクリア。


最速予想タイムと見比べても・・・結果的にほぼピッタリ?



地点チテン 最速サイソク10:25 結果ケッカ
スタート 7:00 7:00:00
スイムF 7:55 7:57:55
バイクS 8:00 8:04:46
池間イケマジマ1 30km 9:00 8:53:10
ヒガシ平安ヘイアンザキ70km 10:20 10:02:38
池間イケマジマ2 130km 12:20 11:58:35
バイクF 13:10 12:58:07
ランカエし20km 15:10 15:03:07
ラン 30km 16:10 16:04:35
ラン 35km 16:40 16:38:57
ラン F 17:25 17:27:07



本当に最高のロケーションで最高のレースが出来ました。




応援してくれたみなさん。

大会の関係者、ボランティアのみなさん。

一緒に練習してくれたNoLimitsのメンバー。

支えてくれた家族。

本当にありがとう!

これから少しづつ恩返ししていきます。



しかし・・・


YOUさんの口車にのって(笑)始めたトライアスロン。


ショートですら完走できないと思っていた。

それが、セントレアのミドルをレースプランどおりに完走し

調子に乗ってロングも制覇してしまった・・・。


目標どおりに完走できたら・・・

もうこれで最後。

トライアスロンをやめてもいい。

ゴール前まではそう考えていた。


でも・・・

翌日、宮古島を離れるときには「今度はいつこれるかな?」

と真剣に考えていた。

家族にも「絶対また来ようなっ」と思わず口にしていた。

魅力ありすぎだぜっ!!



宮古島!


また、いつか・・・


おしまい。





6 件のコメント:

  1. お疲れさまでした。ほぼ完璧なレースでしたね。
    昨年のセントレアに続き、あまりにも優等生すぎて、なぜかロングの悲壮感が伝わってきません。ということは「さておかれた10時間切り」は可能だったのでは。(毒舌かもしれませんが…)
    完走はもちろんのこと、レース参加まで積み重ねてきた今までの努力に敬服いたします。
    皆生はYUKIYさんに頼ることのないよう頑張りますので…

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    1. ☆23兄さん
      まずは感謝です!
      一緒に練習してくれたおかげで優等生のレースが出来ました。

      「10時間切り」確かに全く手の届かない目標ではないのかも知れません。←終わったらいいまっせ(笑)
      でも実際、タイムは参考程度。気象条件で大きく変動します。
      そういう意味でも、完走率が83%と厳しかった今大会で明るいうちにゴールできたことを誇りに思っています。

      次は皆生で祝杯をあげましょうね~

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  2. すごすぎる…。
    完璧なレース、ホントすごいっす。
    灼熱のラン、4時間半ね~。
    宮古、リポート読んでいて出場したくなりました!
    しっかり休養を!

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    1. ☆furuちゃん
      ありがとう!ほんと感謝しきれません。

      出たくなったやろ?
      絶対出るべきです。

      今度もっと出たくなるプレゼン準備しておきますから(笑)

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  3. いまさらながら 完走おめでとうございます。
    タイムも計画通りで凄いですね。

    参戦レポートを見ていると、またロングトラに参加したくなって来ました。
    何時か宮古島にチャレンジするぞ~

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  4. ☆らんどな~さん
    ありがとうございます!
    実は、今回のランは佐渡のらんどな~さんを参考にさせてもらってたんですよ。練習の段階からキロ6分でとおせるように。

    宮古島、家族連れで参戦してみてください。最高ですよ!

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